さかもと未明というバカがいる

再生JALの心意気/さかもと未明(漫画家)

 私は夏の羽田空港で、JALの空港スタッフ相手にひと騒ぎ起こしていた。主人と出かけた愛媛県松山からの帰りの飛行機、JAL1466便のなかで、赤ちゃんが泣き叫び通しだったのにブチ切れてしまったのだ。だって、客室乗務員さんが母親と一緒にあやしても泣きやむ気配はないし、逃げ込む場所もないんだもん。

 その赤ちゃんは、たぶん1歳くらい。どうしてそんな体力が、と思うくらいに離陸から泣き叫び通しだった。

 「引きつけでも起こしたらどうするの?」と心配になるレベルだし、お母さんもどうにもできなくてホトホト困っているのがわかる。ほかのお客さんも「言い聞かせてなんとかなる年齢ではないし、仕方ない」と思っているみたい。でも、私は耐えられなかった。

 「もうやだ、降りる、飛び降りる!」

 私は、着陸準備中の機内を、出口に向かって走り始めた。その途中で、子供とお母さんにはっきりいった。

 「お母さん、初めての飛行機なら仕方がないけれど、あなたのお子さんは、もう少し大きくなるまで、飛行機に乗せてはいけません。赤ちゃんだから何でも許されるというわけではないと思います!」

ツイッターでは、公共機関に乳児を乗せる事への是非が論じられてるみたいだけど、この問題の本質はそこじゃない。
万引きや彼女とのセックスを自慢する中高生レベルの駄文を、不惑を超えた大の大人、しかも「徳育」だの「規範」だのが大好きな「保守」を自認する人間が嬉々として書く事と、それを平然と載せる「Voice」編集部のモラルの問題である。
アメリカからの押し付け憲法戦後民主主義が、さかもと未明のような恥知らずな大人と量産した」と、厭味の一つでも言ってやりたいところだが、やめておこう。